Masters of Beef(MoBA認定 優良生産者)について
MoBA認定の生産者「マスターズ・オブ・ビーフ(Masters of Beef)」とは、
和牛の魅力と奥深さを広める活動を行うMoBAが認めた、農林水産大臣賞などの受賞生産者のことです。
味わいのあるお肉作りを目指し、独自の飼料や肥育方法を追求するとともに、環境や安全性にも配慮した生産者(Master)だけを認定しています。
谷口牧場(神戸牛)
谷口さんは神戸牛の業界団体の会長をされ、後進の育成に務めるなど、神戸牛を代表する生産者です。品評会での名誉賞や最優秀賞の常連でもあります。有名店からも、購入したいという要望が絶えない生産者です。
■生産者 谷口隆博さんからのメッセージ
こんにちは。兵庫県の神戸牛、谷口牧場です。
当牧場ではスタッフ一同、『子どもに安全で、お年寄りにやさしく、みなさんにまた食べたいなあと思っていただける肉づくり』を目指しております。
オレイン酸組成(特に丹波黒に多く含まれるイノシン酸、昆布に多く含まれるグルタミン酸)の構成比を上げ、肉の甘味と風味を増し、脂身はオレイン酸(あっさりとして甘みが有り)を60%、モノ不飽和脂肪酸(胃もたれしにくい)を68%の目標で追求。日々、みんなで頑張っております。
また、サシは細かい小サシ(霜降り)を目指し、この30年、色々と肥育テストも行ってきました。
牛舎は自然に囲まれた中山間地域にあり、牛たちに出来る限りストレスを与えないようにして、一緒に生活してます。
米沢鈴木牧場(米沢牛)
鈴木寿一さんは、”生きる伝説”と言われる、米沢牛を代表する生産者です。最高級ホテルを始め、多くのファンがいますが、肥育頭数が少なく、入手困難なことでも有名です。
■生産者 鈴木寿一さんからのメッセージ
米沢藩九代目藩主、上杉鷹山公雨乞いの地、入り鍬の地と知られる米沢市遠山町(旧上長井村)で農家として九代目(肥育牛としては三代目)となる私は、水稲10町部(約1,000俵)、肥育黒毛和牛(米沢牛)86頭(年間約40頭出荷)を家内労働で営んでおります。
自家採取の粗飼料(稲藁、牧草)を田んぼ、牧草地から収穫し、堆肥を還元する循環型農業を父の代から45年、また餌はノンGM(非遺伝子組み換え)を使っております。
鈴木家の牛さんは、きめ細かく美味しい牛肉、良い肉色、甘味がありキレの良い脂質を目標に、日々取り組んでおります。
餌も牧草も稲藁もすべて買ってきたもので牛さんを育てている農場もある中で、米沢鈴木牧場は、100%稲藁、牧草は自家栽培した田んぼや牧草地から収穫して牛さんに与えています。このように、土を耕す農業とともに、牛飼いを続けています。
ドリームファーム(常陸牛)
■受賞歴
天皇杯 2014年度(農林水産大臣賞受賞者の中から日本一を決める農林水産祭での最上位の賞です)
■生産者 佐藤宏弥さんからのメッセージ
私が牛と過ごすなかで一番大切にしているのは「牛にストレスを与えないこと」です。 牛たちがのんびりとゆったり休むことのできるように環境を整えること、高品質で美味しい飼料を生産すること、飼料を与える時間を守ること。 そんな毎日を積み重ねてきた私たちドリームファームのお肉が、皆さまに美味しさと幸せをお届けできますように。
■こだわり
茨城県常総市で和牛を飼養しているドリームファームです。 私たちは母牛に子牛を産ませ、その子牛をお肉にするために肥育する、という、通常であれば「繁殖農家」「肥育農家」とふたつの段階を踏む過程をすべて自家で行っています。 そのため牛たち一頭一頭が家族のような存在であり、環境の整備や飼料の管理はもちろんのこと、小さな体調の変化まで見落とすことがないよう日々真剣に270頭の牛たちと向き合っています。
お肉の美味しさを左右する飼料は、牧草や稲わらなどは自分たちが暮らす地域で、自分たちの手で生産しています。自己生産が難しい飼料においては、お肉になった際に子どもたちに安心して食べさせることができるような飼料選びにこだわっています。 また、健康で強い子牛が生まれてくるように水田や牧草地で母牛たちの放牧も行っています。牛たちがいることで景観が良くなり、さらに産前の母牛たちの運動にもなるのでいいことづくめです。
牛たちができる限りストレスを感じず快適に過ごすことで、よく食べ、よく休み、よく育ち、そして美味しいお肉になる。「人も牛も、幸せを感じられる」そんな経営を目標とし、牛たちと共に日々を歩んでいます。 私たちの牛が誰かの笑顔のきっかけになる、この仕事においてそれ以上の喜びはありません。
鉾田牧場(常陸牛)
■受賞歴
農林水産大臣賞 8回
全畜連肉用牛枝肉共励会 3年連続で最優秀賞受賞(2005年~2007年)
名人会肉用牛枝肉研究会 5年連続で年間褒賞(平均BMS№10以上)受賞
常陸牛枝肉共励会 名誉賞2回(2017年・2019年)受賞 など
■生産者 中川徹さんからのメッセージ
鉾田牧場では、茨城県内において約650頭の和牛を育てています。常に高品質な和牛生産を目標にし、飼料の開発や飼養管理技術の研究に取り組むとともに、牛の観察に留意し、牛にストレスを与えない環境で、こだわりの飼料で育てています。
■こだわり
全国に300以上ある各銘柄牛は、いわゆる産地銘柄です。牛肉の味は、育てた地域(場所)によって違いがあるのではなく、どんな飼料で・どのように育てたか、牧場で決まるものだと考えます。 配合飼料「名人」の開発に取り組み、皆様から引き合いをいただき、現在では全国各地で利用されている配合飼料となりました。「名人」は良質な枝肉を生産するだけでなく、美味しさにもこだわった飼料です。
①日本人が食する穀物由来の原料を多く使用しているのはもちろん、安全性を第一に考え、動物性飼料や成長ホルモン、抗菌性物質は一切使用しておりません。
②高品質な原料にこだわり、高価な「ビタミンC」も添加した高級飼料だからこその美味しさがあります。
③粗飼料として良質な稲ワラ以外に、サトウキビを原料とし糖蜜を加えて発酵させた飼料も給与することで、バニリン(バニラエッセンスの素となる成分)が多く含まれた風味豊かな牛肉となります。
④高級食用油「こめ油」も使用し、美味しさの指標「オレイン酸」を向上させることが可能となりました。
盛本牧場(神戸牛)
盛本さんは、神戸牛の品評会で最優秀賞の常連である、神戸牛を代表する生産者の一人です。
盛本さんのトロフィーと賞状の数は、ざっと数えただけで52個。飾っていないものも含めると優に100を超えます。
2020年秋と2021年春には、神戸牛の品評会で1位から3位まで独占しました。
神戸牛は、小型で病気に弱く、育て方が難しいと言われます。
そのため、常に観察を怠らず、体調を気にかけておかないといけません。
子牛を繁殖農家から買ってくる生産者が多い中、 母牛から育て、子牛を生み育てる、神戸牛では珍しい一貫生産者でもあります。
そのため、牛舎にはいつも子牛がいます。子牛は病気にかかりやすく、生産者にとっては気を抜く暇がありません。ただ、牛にとっては、環境がずっと変わらないので、ストレスが少ない環境で過ごすことができ、いい牛に育ちます。
高梨牧場(かずさ和牛)
千葉県を代表する生産者といえば、鴨川の高梨さんです。
農林水産大臣賞を6度受賞し、dancyuを始め、雑誌やテレビでもよく取り上げられています。
房総半島の温暖な気候の中で育てることで、牛のストレス軽減につながっています。
そばには、大山千枚田という日本の棚田百選にも選ばれた、東京から一番近い棚田の里があります。
高梨さんの人柄もあり、どの牛も穏やかです。
ストレスが肉質に最も影響するので、穏やかというのはとても大事なことです。
研究熱心で、論文を読み、大学教授に話を聞くなど、牛のためにいいと思うことは何でも積極的に取り入れていることが、いい成績につながっています。
栗田牧場(山形牛)
山形北部、最上地方を代表する山形牛の生産者です。
山形のチャンピオン常連者です。
・和牛能力共進会 3大会連続山形代表(5年に1回開催)
・グランドチャンピオン 2回(農林水産大臣賞)
・チャンピオン 7回(山形県内)
・その他の賞 39回
とても素晴らしい環境にあり、水とエサが特徴です。(奥の雪山は鳥海山です)
最上地方のいい水があるにもかかわらず、より良い水のために地下160mまで井戸を掘り、牛専用の水を確保しています。
エサは、酒どころのため、幻の日本酒の酒蔵から酒粕を入手し、牛に与えています。
日本を代表する循環型農業者でもあり、堆肥を稲作に使い、その稲わらを牛に与えています。
そのためか、牛舎はほのかにヨーグルトのような乳酸菌の香りがします。
一貫生産にこだわる生産者でもあります。
子牛から育てることで、栗田さんが理想とする牛に育て上げることができます。